「青空のはてのはて」バイオレンスと青春を描いた真鍋昌平作品集
(出典元:Amazon)
先日原作が完結したばかりの「闇金ウシジマくん」。
コミックのみならずテレビドラマ、映画と、コミックが原作の作品としては近年まれにみる大ヒットになりました。
しかし、原作者の真鍋昌平氏の他の作品というと、思いつく人は少ないかもしれませんね。
そこで、闇金ウシジマくんが生まれる前の真鍋昌平氏の作品集「青空のはてのはて」をご紹介したいと思います。
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「青空のはてのはて」みどころ
この作品は、真鍋氏の初期に発表された短編を集めたもので、全部で10の作品が収録されています。
ウシジマくんを彷彿とさせる作品もあれば、完全なギャグ漫画もあり、また、ショートショート的な作品もあります。
その中からいくつかご紹介します。
憂鬱滑り台
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
ケンジとヒトシは仕事もなく日々ふらふらとその日ぐらしをしています。
ある時、知り合いの男から「稼げる仕事」に誘われます。軽い気持ちで話を聞いた二人でしたが、その内容は中国マフィアから金を奪うという荒っぽい仕事でした。
相手がマフィアということで、盗難届などは出せないから大丈夫、という言葉に押し切られ、ふたりはその仕事に参加します。
しかし当然うまくはいかず、金を奪うことは出来たものの、中国マフィアに顔を見られたうえ、仲間割れに発展してしまいます。
金を持ったまま逃げるケンジとヒトシは、逃亡の途中でトラック運転手のハルコに拾われ、仕事を手伝う代わりに食事や寝る場所を提供してもらううち、ハルコの人柄の良さや汗水たらして働くことの意義を感じ、罪を償おうと決意しますが…
(出典元 ©Shohei Manabe 2019)
この作品はウシジマくんに近い作品ですが、結末は非情なものです。
軽い気持ちでかかわったことが、自分たちだけでなく自分たちが立ち直るきっかけになった女性まで巻き込んでしまい、自分たちもその代償を払うことになります。
ウシジマくんにも、こういった展開のエピソードは多かったですね、
かわりめ
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
うだつの上がらない中年男は、毎日ギャンブルに明け暮れ、たまに勝てば場末の飲み屋で退屈な話をしては自堕落な生活を送っていました。
学生の頃の友人とはだれ一人連絡も取らず、このままではいけないと思いながらもギャンブルから抜け出せません。
そんな男にも、自慢できるたった一つのものがありました。弟です。
何をやっても中途半端でダメな自分とは違い、子供のころから努力家の弟は、今度大学院生になるのでした。
その弟の引越しの手伝いをする約束の日、男はわかっていながらまたしてもギャンブルにのめりこみ、約束の時間をとうに過ぎてしまい…
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
この作品は、たった15ページの短い作品ですが、個人的に一番好きな作品です。
もう先が見えてしまったどうしようもない男と、その正反対の場所にいる弟。本来ならば交わりそうもない二人ですが、実は強い絆があるんですね。
ネタバレになりますが、兄は約束の時間を過ぎて慌てて弟の部屋へ行きますが、すでに引っ越しは終わっています。
「またやっちまった」
そう嘆く兄ですが、部屋の外には何食わぬ顔で待つ弟の姿が。とんでもなくダメでどうしようもないけれど、大好きなお兄ちゃん。弟はそんな兄のすべてをひっくるめて受け止めているわけです。
この作品のタイトルは「かわりめ」ですが、この兄が今後変われたかどうかはわかりません。でも、それでもいいのかも、この兄弟は、と思わせるラストになっていて、読後感は非常に良い作品です。
NO LIFE NO MUSIC
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
大音量で近所迷惑も顧みず音楽を垂れ流す男に制裁を加える男の話ですが、作者の真鍋昌平氏によると、この作品の発想が「闇金ウシジマくん」に通じていると言います。
この作品はよく読まないとわからないのですが、部屋にはヘッドフォンが転がっていて、音楽もそのヘッドフォンから流れています。
ということは、男が言うような大音量の近所迷惑な騒音というのは、はたして本当なのか、ということになります。
日常に潜む不条理な暴力、狂った隣人・・・こちらも短い作品ですが、力のある作品です。
青空のはてのはて
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
満員の通勤電車。いつもと変わらない男の日常です。
ふと男は遠くに行きてぇなーと心の中で思います。
電車の中を見渡すと、きれいな女性が目に留まり、あんな女性と暮らせたら、一日の始まりも清々しいのだろうと思いを馳せます。
しかし、目が合った途端素っ気ない態度をとられた(ように見えた)男は、視線を移して冴えない中年女性に目をやり、自分にはせいぜいこの程度だと独り言ちます。
イライラし始めた男は、さらに混みあう電車の中でなにもかもが腹立たしくなっていき、自分の周辺にいる人たちに嫌がらせを始めます。
ついやりすぎて、オラついた男たちに目を付けられ、男は怯え謝罪しますが、別の男性がその男たちを一喝し・・・
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
この作品は表題作ですが、満員電車を人生の縮図に置き換えて表現しています。
誰でも人生一度きり、他人と比べても仕方ないし、今自分がいる場所で精いっぱい頑張るしかないことはwか会っているけれど、それでもつい、周りを見渡し比べてしまう・・・
そんな誰もが思い抱くことを描いた作品ですが、こちらも読み終わった後の感覚が何とも言えません。
めちゃくちゃダサい自分、嫌になる、妄想でしかイライラを解消できない自分。
でも、本当は、いつだって俺の心の中は・・・
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青空のはてのはてまとめ
(出典元:©Shohei Manabe 2019)
真鍋昌平作品集「青空のはてのはて」、こちらはU-NEXTほかのコミック配信サイトで読むことが可能です。
リアルな底辺を描くことで知られる真鍋氏ですが、初期のころの作品からその流れはあったようですね。
容赦ないラストや救いのない展開に打ちのめされつつも、読み終わった時に嫌な感じはしない、レビューでもそういった声が多いのがこの作品の特徴です。
2000年から2003年にかけての作品ですが、当時はあまり人気が出なかったとか。闇金ウシジマくんの連載が完結したところで、余計に次回作に期待が持てます。
超おすすめの一冊、ぜひ読んでみてください。
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