「恋する母たち」柴門ふみが描く、現代の母たちの恋愛事情!
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
突然ですが私は子を持つ母親です。これを読んでらっしゃる方の中にも、母という立場の方もいらっしゃるでしょう。
今回ご紹介するのは柴門ふみ原作の「恋する母たち」。ストレートなタイトル通りの、恋する母親の話です。
こう書くと、眉をひそめてしまう方もいるかもしれないですね。書く人によっては、ありふれた、エロティックな面だけを取り上げた下品な作品でしかなくなる可能性もありますが、数々の大ヒット作を連発している柴門ふみにかかると、どう仕上がったのでしょう?
現在連載中ですので完全ネタバレとはなりませんが、すでに刊行されているストーリーから見どころなどをご紹介します。
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目次
恋する母たちのあらすじ・登場人物
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
母子家庭でパートの事務員をしている石渡杏(45歳)は、ある時一人息子が通う名門私立高校・麻蔵学園高校に呼び出されます。何事かと駆け付けると、そこにはあとふたりの母親の姿がありました。
一人は、弁護士を夫に持つ「セレブママ」の蒲原まり、もうひとりは大手一流企業勤務のバリキャリママ・林優子。立場も何もかも違う「母親」であることと「子供が落ちこぼれ」ということだけが共通点のこの3人は、当初まったく交流はありませんでした。
しかし、他人にバリアを張り、子供の出来不出来だけでマウントをとる名門私立の母親たちについていけず、かつ、それぞれが母として、女性としての悩みを抱えそれを共有していくことで物語は進んでいきます。
石渡杏の事情
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
かつて、杏はごく平凡な普通の主婦でした。しかし、ある日夫の慎吾が会社の金を横領して失踪、その日から子供のことだけを考えてがむしゃらに働いてきました。
麻蔵学園高校に息子を入れたのは、経済的に裕福な義母の一存でしたが、杏は子供のことを考えてそれを受けていましたが、実際にはついて行けず学力不振に。
同じく落ちこぼれの子を持つ蒲原まりとの何気ない会話の中で、不倫という言葉が出てきて反応する杏。
実は夫の失踪は駆け落ちで、夫とともに行方をくらました女性の夫・斉木と、杏は勢いで関係を持ってしまったという過去があったのでした。
連絡も取っていなかった斉木から、10年ぶりに「夫を与論島で見かけた」という情報がもたらされ…
蒲原まりの事情
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
年収3500万円の夫は弁護士。3人の子どもはそれぞれ有名進学校に入れ、タワーマンション、日がな一日、ネイルやエステ、観劇や高級ランチなどいわゆるセレブママそのもののまりですが、長男の学業不振と、夫が不倫していること、そして自分たち夫婦がとうにセックスレスであることを悩んでいました。
イケメン高収入夫に子供が全員名門私立、自分は間違いなく上位3パーセントの幸せな女。そう自分に言い聞かせて日々を過ごすまりですが、時々無性に寂しくてたまらなくなる自分がいました。
そんな時、久しぶりに出かけたチャリティーコンサートで、有名な落語家・今昔亭丸太郎と出会います。落語に興味のないまりは気にも留めませんでしたが、その日から丸太郎の猛アタックが始まり…
林優子の事情
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
大手ビール会社の宣伝部課長を務める優子は、英語フランス語中国語が堪能でゴルフも上手、社内での評判もよく、初の女性役員間違いなしと噂されるほどのキャリアウーマン。
家庭では小説家を目指す夫と麻蔵学園高校に通う長男の3人暮らしですが、息子は中学二年から引きこもりを続けていました。母として向き合ってやれなかったと後悔する優子ですが、主夫として息子の勉強にも付き合ってくれる夫に支えられてなんとか頑張っていました。
正義感の強い優子が捕まえた痴漢が、取引先の会社の息子だったことで上司から圧力がかかります。それを突っぱねた途端、プロジェクトリーダーを12歳年下の男性社員・赤坂に奪われてしまいます。
自分のやり方を「古い」と一刀両断し、今時の若者特有の忖度知らずの赤坂に憤慨しながらも、どこか惹かれていく自分がいて…
恋する母たちのネタバレ・見どころ
3人の「母親」が直面する恋愛(不倫)をどう対処し、結末はどうなっていくのか・・・・
「恋する母たち」の見どころをいくつかご紹介します。
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それぞれの立場の違い
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
登場する3人の母親は、立場がそれぞれ異なります。母子家庭の杏、経済的に裕福なまり、仕事に生きがいを見出している優子。
優子と杏は働いているとはいっても、かたや大企業の課長、かたや駅前の不動産屋のパートという違いもあります。
経済的に見ても、優子とまりは経済的不安はないですが、杏は日々いっぱいいっぱい。一方のまりも、夫の収入がすべてであり、離婚となったら今の生活は維持できませんし、優子には夢を追う無収入の夫がいます。
それぞれの悩みである「恋」も、不倫待ったなしのまりと優子とは違い、杏は独身ですから不倫ではないものの、「母親」としていかがなものかという壁が立ちはだかります。
このように、読者がこの3人のうちの誰に一番近いか、という選択ができることで、共感性が高まります。それが多くの人の支持を得る要因と言えるでしょう。
ハラハラドキドキの展開
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
柴門ふみの他の作品でも多く見られるものですが、結構サスペンスドラマばりの修羅場が用意されています。
まりはずっと悩みの種だった不倫相手との対決がありますし、杏は夫の知りたくなかった本当の姿を直視する羽目になりますし、さらには斉木との恋愛を息子が受け入れられず母子の関係に影を落とします。
こちらのサイトでも取り上げた「昼顔」にあるほどのドロドロではないですが、だから余計に身近に感じることが出来ます。
単にドライブしただけ、でも心がやましいと、その車に家族が乗っただけで「何かバレていないか」とソワソワしたり、何でもないことにまで嘘をつかなければならなくなったり、些細なことですがそれが重なると取り返しがつかなくなってしまう…
誰もが経験のあることでしょう。身につまされる人もいるかもしれませんね。
大人の女の友情
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
この作品は登場人物が40代ということで、「大人の物語」です。しかし、「母親」という視点で見ると、特に年齢は関係ないとも言えます(10代で母になる人もいますし)。
そんな母親たちの立場での友達関係は微妙です。学校の友達ではなく、子供を通じて、夫を通じて、仕事を通じて、単に「気が合う」だけではない友達関係がそこにはあるのです。
それらは表面的にはうまくいきますが、経済的な格差や子供の出来不出来、そういった本人とは全く関係ないはずのことで「ママ友」たちは他人を値踏みし、自己満足に浸ったり妬みの心を募らせたりします。
主要登場人物の3人はどうでしょう。そういったドロドロした中に一番いそうな蒲原まりですが、彼女はそういったことが嫌いです。自分自身がはみ出していると自覚しているからですね。
そんなまりの裏表のなさと、時には他人のために行動するタフさに、優子も杏も惹かれていきます。
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
3人は子供が落ちこぼれたことで知り合ったわけですが、みな自分の弱点をさらけ出しています。ですが、まりが丸太郎との不倫に暴走しそうになったときは、大人だからとある程度放ってはおくものの、「それは恋ではなく性欲だ!」と要所要所で釘をさすことも忘れません。
この辺りは、社会人として母親としての立場、経験があるからできるのでしょうね。
杏とまりは子供のことも絡んではきますが、優子はさほど子供を絡めてきませんので、母親出ない立場の人も優子目線で見ると共感する部分が多いと思います。
ストーリーは現在連載中ですが、3人のそれぞれの悩みと成長、それが非常にリアルに描かれており、こちらもドラマ化が期待できる作品となっています。
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柴門ふみってどんな作家さん?
(出典元:(C)柴門ふみ/小学館)
漫画家としての肩書よりも、ヒットドラマの原作を書いた人、というイメージを持つ人も多いでしょう。
彼女の作品は、マンガとしても優秀ですが、映像化することでさらにヒットする、という印象がありますね。
代表作であり、「トレンディドラマ」の不動の一位、小田和正さんの歌でもおなじみの「東京ラブストーリー」をはじめ、主要作品のほとんどがドラマ化され、そのほとんどがヒットしています。
内容も恋愛がテーマであっても様々で、若き人々の都会の恋を描いた「東京ラブストーリー」、学生の淡く切ない心模様を描いた「あすなろ白書」、家庭や不倫を扱った「Age,35」などは今見ても見入ってしまいます。
家庭、夫婦を扱った作品も多く、1991年から7年にわたって連載された「家族の食卓」などは、10代から30代の若い夫婦のリアルな悩み、苦しみを題材に描いた作品も今読んでも心にしみます。
(出典元:フジテレビ)
柴門ふみはその時代もあるかと思いますが、松任谷由実に共通する作家だと思っていて、時代を超えてもなおその新しい時代で受け入れられるといえます。
そこには、愛や家庭、親子、友達といった時代に関係なく育まれるものが常にあり、それらをその時々の時代に応じたアイテムやスパイス(たとえば都心のお洒落な独身生活や、携帯電話、SNSなど)をちょっとだけ加える、だから、いつの時代でも受け入れられるのかなと感じます。
大人なあなたも、そうでないあなたも、ぜひ柴門ふみの「恋する母たち」を手に取ってみてください。
なお、こちらでご紹介した「Age,35」「家族の食卓」もU-NEXTコミックで読むことができます。「東京ラブストーリー」「あすなろ白書」などのドラマはFODで視聴可能です!ぜひお試しください。
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