【あらすじ・ネタバレ】大人のためのるーみっくわーるど「高橋留美子劇場」
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
高橋留美子、といえば、「うる星やつら」、「らんま2/1」、「めぞん一刻」そして「犬夜叉」と、誰もが知っている作品を数多く輩出した天才漫画家です。
彼女の生み出すキャラクターはどれもその都度違い、世代を超え、時代を超えて愛されているキャラクターも少なくありません。
そんな高橋留美子の世界観の中で、異色といえる作品があるのをご存知でしょうか。
1987年から年に1作のペースでシリーズ化している読み切り漫画を集めた「高橋留美子劇場」がそれです。
この、笑えて泣ける、大人のための短編集をご紹介します。
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目次
高橋留美子劇場ってどんなコミック?
平凡な人たちの、その家庭、職場などを舞台に、ありふれた日常の中で起こる出来事に焦点を当てた1話完結のストーリー。
登場人物は主婦、サラリーマンが多く、その家族らも多く登場します。
テイストとしてはコミカルなものから切ないもの、中には少しゾッとするものもありますが、結末はどれもホッとするようなエンディングとなっているのも特徴です。
高橋留美子劇場のあらすじ
6作品で1巻、という風になっており、現在単行本に収録されているのは全32話中24話です。
その中から、いくつかピックアップしてご紹介します。ここはネタバレなしです。
Pの悲劇(第一巻に収録)
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
加賀一家が暮らす団地では、こっそりペットを飼う人が後を絶たず、自治会ではそのルールを徹底させようという動きが大きくなっていました。
その中でも、加賀家の階下に暮らす筧(かけい)さんの奥さんは、その急先鋒。お年寄りが心のよりどころにしているペットにも容赦なく手放すか、出ていくかの2択を迫ります。
そんな中、加賀家になんとペンギンの「ピットくん」がやってきます。商社勤めの夫が商談相手である外国人のペットを預かってきたのでした。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
断り切れず、ピットくんの世話を引き受けたものの、子ども同士が友達であることや、団地内でこっそりペットを飼っている家を探るスパイがいるなどと聞かされた加賀さんは、もう生きた心地がしません。
ある時、ペット問題が紛糾してしまった会合の場で、筧さんのあまりの強硬な態度に、加賀さんはつい、感情論で反論してしまいます。
その数日後、筧さんにピット君の存在がばれてしまい…
君がいるだけで(第2巻収録)
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
堂本氏は妻と二人暮らしでしたが、長年勤めあげた会社が倒産し、無職となってしましまいました。
することのない堂本氏は、ある時風邪をひいた妻の代わりに、弁当屋のパートへ行くことを決めます、勝手に。
気の弱い店長と、日本語がうまくできないタイ人のアッチャラーさんとで働くことになった堂本氏ですが、接客経験ゼロの二人は全く役に立ちません。
堂本氏は熱意だけは立派ですが、しょせん会社勤めしかしたことのない、頭の下げ方もわからない人物であり、眼力で客を怯えさせる始末。笑顔はひたすら不気味でしかありません。客足も遠のくばかり。
しかし、顔は怖くても努力家であった堂本氏は、少しずつ店長とも打ち解け、アッチャラーさんとの息もあってきます。アッチャラーさんの努力のおかげで客足も戻ってきました。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
ある時、商品にいたずらした子供を怒鳴りつけ、自分のオーダーミスでありながら、それを認めようとしない客に対し、堂本さんは激怒してしまいます。客に対して謝罪する店長に対し、あなたは悔しくないのかと詰め寄る堂本氏でしたが・・・
鉢の中(第1巻収録)
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
同じ団地の隣に暮らす利根川さんは、旦那さんとお姑さんとの3人暮らしだった。お姑さんは、明るく世話好きな人だったのですが、利根川さんの奥さんは、どことなく陰気というか、得体のしれない女性でした。
ある時、利根川さんの旦那さんとお姑さんが、自動車事故で突然亡くなってしまいます。
その葬式の際、近所の人たちが、「利根川さんの奥さんは、ご主人の世話も何にもしないんだって」「利根川さんの奥さんは、お姑さんを虐待している」などと噂していました。
その直後、利根川さんの奥さんが訪ねて来て、留守にする間、鉢植えをいくつか預かって世話をしてほしいと頼んできたのです。引き受けたのはよかったのですが、預かった鉢植えの一つを誤って割ってしまいました。
片づけていると、なにか鉢の中に白い欠片が入っているのを見つけます。それはなんだか、人骨に見えました。
そこで、利根川さんの奥さんがお姑さんをお墓に入れないで、お骨を邪険に扱っているのではという疑念がわき…
迷走家族F(ファイアー)
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
不破はづきは中学1年生。弟と両親の4人家族でした。父は設計事務所を興しましたが、近所おばさんたちの噂話によればどうやら共同経営の友人にお金を持ち逃げされ、大借金をかかえているとのこと。
それなのに、両親はまるで何もなかったかのように、いや、今までよりもむしろ明るく、はづきたちにも優しくなりました。そのくせ、母はこっそりと涙ぐんでいたりするのです。
両親は、借金があるはずなのにドライブや旅行を計画していました。その前日、両親が深夜深刻な顔をして「・・・もうだめだ・・・」と言っているのを聞いたはづきは、両親はもしかして一家心中を図ろうとしているのではと訝しがります。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
胃が痛いと言っていた父は、贅沢にステーキをほおばり、それを見て母は笑いながら涙ぐんでいるのを見て、はづきの不安は確信へと変わります。
ドライブ中、車のトランクにゴムホースとロープを見つけたはづきは、絶対に心中を阻止すると誓いますが、遊園地で憧れの先輩に彼女がいることを知り、途端に生きる意味を見失います。
なんとか宿についた不破家でしたが、はづきが問い詰めると父親は「借金なんて苦にしていない」と笑いました。
しかし、不破家にはもうひとつ大きな事情が隠されていたのでした。
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ネタバレ注意!バッドエンディングはない!
現在収録されているものは、いずれも舞台や登場人物たちの立場は様々ですが、エンディングはどれもホッとするものばかりです。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
この、短編でありながら見事なまでに話をまとめるのも、高橋留美子の才能と言えるでしょう。
たとえば、「Pの悲劇」では、感情的に筧さんに反論した後、「動物好きは善人で、そうでない人は悪人なのか」という問いかけに主人公はハッとします。
最終的にピット君の存在は筧さんの知るところとなるのですが、筧さんは動物が嫌いなのではなかったこともわかります。
そして、ピット君は無事飼い主のもとへ帰りますし、筧さんも加賀さん一家も、団地で何事もなかったように暮らします。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
「君がいるだけで」では、正義だと信じてきたことを貫いただけの堂本氏が、店長の「正義」を知ったことで自分自身を見つめなおします。
サラリーマンの人ならば、会社一筋、今更変われないよと男泣きする堂本氏に共感する人も多いでしょう。いわゆる団塊の世代というのは、老害などと言われることもある現代ですが、堂本氏の本音に思わず胸が詰まりそうになります。
その後、堂本氏がしっかり立ち直るラストも心が温かくなります。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
「鉢の中」は、収録作品の中でもかなりシリアスな展開を見せます。陰気な利根川さんは、実は姑にいびられていたことが判明します。
口が重い利根川さんは、姑がばらまいた嘘をつぶして歩けるほどの気力を持ち合わせていませんでした。同じような経験をしたことがある人は少なくないのではないでしょうか?
利根川さんが鉢の中に隠していたのは、姑の骨ではなく、愛する夫の骨でした。夫は死の間際、自分ではなく、「かあさん」と呟いて死んだのでした。それを、利根川さんは昇華し切れなかったのです。
ラスト、隣人にすべてを告白して、少し微笑んで去っていく利根川さんは、穏やかな表情を取り戻していました。
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
このように、短い中にギューッと人間模様や心の機微を詰め込み、しかもそのどれもが共感しうるストーリー展開となることが人気の要因であるといえます。
高橋留美子劇場のアニメ化とドラマ化
(出典元:©高橋留美子劇場/小学館)
2003年にはテレビ東京系列でアニメ化され、絵はもちろん、セリフの細部に至るまで原作に忠実に作られていました。
さらにBSプレミアムではドラマ化されました。
いくつかのエピソードを再編成したつくりではありますが、こちらも小日向文世、原田美枝子、杉本哲太など俳優陣も非常によかったですね。
ただ、やはり高橋留美子のあの独特な雰囲気はあの絵でなければ表現しきれない部分もありますので、まずは原作をじっくり読んでほしいと思っています。
高橋留美子劇場まとめ
(出典元:ビッグコミックオリジナル)
現在も2018年にビッグコミックオリジナルにて最新の高橋留美子劇場が発表されました。
未収録作品が8作品ほどになっているので、そろそろ新しい巻が出てほしいと思うファンも多いようです。
高橋留美子先生自身は、まだまだ精力的に仕事をなさっていますので、まだまだ今後に期待できます。
あわせて、不朽の名作「めぞん一刻」なども、昭和を知らない若い世代にも人気とのことで、あわせて読んでほしい作品です。
高橋留美子劇場は、FODやU-NEXTなど、コミック配信サイトで閲覧できます。
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