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【漫画あらすじ】80年代不朽の名作「ホットロード」完全解説!!


(出典元:集英社)

2014年に能年玲奈主演で映画化された「ホットロード」。

相手役に三代目J Soul Brothersの登坂広臣が起用されたことで注目を浴び、映画をご覧になった方も多いでしょう。

しかし、この作品はその原作が持つカリスマ性がとんでもなくすごいことでも知られており、世に出てから30年近く経っての初の映画化ということも非常に話題になりました。

今回は、この「ホットロード」の原作版である、紡木たくのコミックについて特集します。

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ホットロードってどんな漫画?


(出典元 集英社©紡木たく)

1986年から別冊マーガレットにて連載された紡木たく原作の少女漫画です。

母親との確執を抱える14歳の少女と、地元の暴走族に所属する少年との「純愛」がテーマで、柔らかくも芯のある作風と、リアルすぎる10代の目線、言葉、そして少女漫画ではあり得なかったいろんな意味での「荒み(すさみ)」を描いたことでも注目を集めました。

その世代の少年少女の心の機微、危険な道に惹かれる過程、逃げるばかりの大人たち、そして親子のぶつかり合いと、どれもが今読み返しても全く色褪しないのもこの作品のすごいところです。

コミックの売り上げはなんと700万部。同年代の少女のみならず、その親世代にも反響があったという他に類をみない作品です。

ホットロードの設定


(出典元:集英社©紡木たく)

舞台は1980年代の神奈川県。横浜、茅ケ崎、湘南や鵠沼海岸といった地名も出てきて、実在する場所も描かれています。

特に、オリジナルコミックの表紙は、当時の少女漫画では到底似つかわしくない、道路や車のテールランプなど、無機質なものとなっていますが、いずれも神奈川県の実在の風景を切り取ったものです。

原作者の紡木たくさんは、他の作品(山口県が舞台の「瞬きもせず」)でも実在の場所を丁寧に描いていることでも知られ、そちらの作品ではロンドンハーツの田村淳氏が自身の母校である下関中央工業高校が舞台であると証言しています。

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ホットロードのあらすじと登場人物


(出典元:集英社©紡木たく)

宮市和希は14歳の中学2年生。母親と二人でマンションに暮らしていますが、母親には恋人がいて、母親の関心が自分にないことを気づいていました。

中学ではくだらない先輩後輩の関係の中、唯一心許せるのが親友の絵里。そしてあるとき、絵里の横浜の先輩であるという宏子とトオルを紹介される過程で、春山という16歳の少年と出会います。

春山は母親の再婚相手と折り合いが悪く、家を出てガソリンスタンドのバイトで生計を立てながら、暴走族NIGHTS(ナイツ)に所属していました。トオルはその総頭でした。


(出典元 集英社©紡木たく)

自分に無関心な母親に反発するのに比例し、居場所を探す和希は、次第にNIGHTSのたまり場に出向くようになり、春山とも惹かれあっていきます。

一方で、母親との距離が離れていくに比例するように、和希の生活は荒れ始め、家に寄り付かなくなります。

知り合いに誘われるがまま、原付の窃盗をしたり、無免許でバイクに乗り、化粧を覚え、夜の街が和希のよりどころとなっていくのですが、当然危うい目にも遭うようになります。

見かねた春山が和希を叱ったり突き放したりしながら、少しずつ和希は落ち着きを取り戻していきます。

しかし、トオルが引退し、次期総頭に春山を指名したころから、春山は対立する別の暴走族チームと命を顧みない争いを起こし始め…

ホットロードはなぜ支持され続けたか?その魅力とは

私自身、1974年の生まれで、主人公・和希と同じ年のころにこの作品に出会いました。

その衝撃たるや、今でも鮮明に覚えています。

「ホットロード」が支持された理由について考察していきます。

時代背景に完全にハマった


(出典元:集英社©紡木たく)

「このどろぼぉっ!」

ホットロードは、主人公・和希が友達・ユッコちゃんと万引きをして捕まる場面から始まります。

1980年代と言うと、校内暴力の嵐が吹き荒れた1970年代が終わり、全盛期に比べれば下火にはなったものの、居場所を失った10代の少年少女の非行問題は相変わらず取り沙汰されていた時代でした。

中森明菜の2枚目のシングルである「少女A」がヒットしたのも1982年ですから、日本中が荒れる10代に頭を悩ませていたと同時に、若者文化としての非行少年・少女というものが存在していました(その後のオタク、ゴスロリ、コギャルなどと同じ)。

そんな中で生まれたのが、「ホットロード」だったわけです。

リアルすぎる描写

ホットロードの中では、社会現象と言うか特定の少年少女の間で流行りまくったエピソードがいくつもあります。
たとえば、髪の毛を金髪にするために「オキシドール」を使用するというもの。

実際にやった私が説明すると、オキシドールで髪の毛を濡らすというより擦り、その後ドライヤーをガンガンにかける、といったやり方でした。

当時はスカートの丈を長くする、髪の毛を脱色する、ピアスを開ける、その程度しかできることがなかったため、また、そうしている人は「ヤンキー」であると一目でわかることから、そのようなことをする少年少女がクラスに一人くらいはいたものです。

やり方を間違えるととんでもない金髪になってしまったりという失敗もありましたが、うまく脱色できた翌日は、学校へ行くのもワクワクしたものでした。


(出典元:集英社©紡木たく)

また、横浜のNIGHTS本部に所属する、総頭・トオルの彼女である宏子がつけていた香水・タクティクス(作品の中ではタクティス)も飛ぶように売れました。

シトラス系の、男性っぽい香りなのですが、私は今でも持ってます、つけてます!

男性が好んでつけるような類の香りを、あえてつけることで、「彼氏のニオイ」を周囲にアピールする可愛い見栄もそこにあったりしたのです。

時に痛みを伴う10代

流行したものとして、もうひとつ、作品の中でも重要なものがあります。

それは、安全ピンで腕に好きな人の名前を彫る、というものでした。実際に和希は春山の名前を彫るわけですが、これは結構消えないんですね。

実は私も真似して当時好きだった人の名前を彫ったのですが、今でもその痕は読めるほどにしっかり残っています・・・

1990年代になると、リストカットという自傷行為が「流行った」というと語弊がありますが、時に10代では痛みを伴う自己主張に魅力を感じることがあるんですよね。

やり場のない感情を、自身を痛めつけることで昇華させる、ホットロードでも随所に見られました。

この時代はそこまで認識されていなかったこの行動ですが、実際には共感する若者が多かったわけで、並みの専門家よりも深く若い世代の心を読み取っていたといえます。そこが、人気の最大の理由だったと思われます。

荒みを描いた勇気


(出典元:集英社©紡木たく)

ホットロードが掲載されたのは別冊マーガレットです。月刊スピリッツとかではありません。

ターゲットは10代の少女で、同時期のマーガレットでの連載では「月の夜星の朝」「有閑倶楽部」「ちびまるこちゃん」「ときめきトゥナイト」などがあり、スポーツ系恋愛ものやラブコメディ、ホームコメディなどが主流でした。

その中で、紡木たくは当初から少し硬派な作風を維持していて、ホットロードより前に刊行された作品でも世間からは非行少年少女とみなされる若者を描いた作品もあります。


(出典元:集英社©紡木たく)

母親と不仲だったり、親が不在で溜まり場になったり、裕福でない暮らしの中で精一杯強がってみせる心境、ホットロードのなかではあわやレイプされそうになるといったきわどい場面も描かれました。和希の親友、絵里のエピソードには、子どもを堕胎したと噂されるものもあり、およそ少女漫画にはありえない展開を見せたのです。

そのような現実にあっても誰も知りたくないようなエピソードをまじめにしっかりと描いたのはこの作品が初ではなかったでしょうか。

このような若い世代が直面している「現実」をリアルに描くことにした勇気も、人気の一つであったでしょう。

ヤンキー漫画ではなく、純愛


(出典元:集英社©紡木たく)

春山は中卒の暴走族ですが、和希と付き合うようになっても和希に手を出しません。チューすらありません。

もっとも、春山は過去に交際した少女・美穂子を見てもわかるように、いかにもなヤンキー少女ではなく、まじめで純粋な人が好みのようで、和希もまさにそういうタイプでした。

和希も、春山のことが好きでたまらないわけですが、言葉にできないもどかしさや、10代の少女らしい一途な思い、そういったシーンも随所に描かれます。

いわゆる「ツンデレ」な二人なわけですが、まさに純愛、この作品ほど、純愛という言葉がしっくりくる作品はなかなかないのではないかと思っています。

時代背景もあいまって、この二人の恋は共感を呼びました。また、宏子とトオルの恋も、同じように一途なものとして描かれています。

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ホットロード名言集

人気作品には必ず、名言とされるセリフがいくつかあります。

ホットロードでも、読む人の胸を打つセリフがありますが、読む人の実際の立場や年代で違い、その分、名言も多くなっています。

①「きみのお母さんは・・・弱虫だな」


(出典元:集英社©紡木たく)

これは和希の担任・高津先生が発した言葉です。荒れていく和希を見放さず見守ってきた高津先生は、今後のことを話し合うために和希の母親と和希との3人で話し合う場を設けました。

家での最中であった和希は、母親と会うのは久しぶりでした。が、直前になって、和希の母親は行けなくなったと言うのでした。

母親として、おそらく娘と対峙するのが怖かったのでしょう。しかし、這ってでも、何をしてでも来るべきでした。高津先生はこのセリフの後、母親に電話をして「這ってでも来るべきではなかったか」と諭します。

母親の立場にある人には、ずしりと来るセリフでした。

②「こいつのこと、俺がもらってっちゃうよ?」からの「あげないわよっ!!!」


(出典元:集英社©紡木たく)

ネット上にホットロード名言集なるものがいろいろとありますが、その中でもこのセリフは、和希が母親に思いのたけをぶちまけるシーンで、居合わせた春山が母親に対して言うものです。

多くは、春山のセリフである前者のみを取り上げますが、そのあとの母親のセリフまでをセットでの名言だと私は思っています。

和希は、母親にとって自分がいらない存在なんじゃないかとずっと恐れていたんですね。なのに、母親は本心を打ち明けてくれない。そんな不器用な母親の本音を引き出すために、16歳の春山が言ったのがこのセリフだったのです。そして、母親もその言葉に促されて、「自分の子、嫌いなわけないじゃないの」と感情を吐き出したのです。

和希と母親の関係は、この後から好転していきます。

③「おめーよ、俺がいなきゃなんもできねーような女んなるな。俺のことなんかいつでも捨てれる女んなれ。そんでも俺が追っかけてくよーな女んなれ」


(出典元:集英社©紡木たく)

これは作品中No.1の名言です。

危ないこと=カッコいいことと錯覚していた和希が、春山を大切に思うようになって、春山を危険な目に合わせたくなくて思わずこぼした「弱音」に対し、あえて突き放すように言ったこのセリフは、おそらく誰の心にも刻まれたことと思います。

決してきれいな言葉や表現ではないのですが、だからこそ、余計心に響く、そういうセリフってありますよね。春山の言葉は、まさにそれでした。

「紡木たく」という人


(出典元:集英社©紡木たく)

原作者は女性で、昭和39年生まれということは知られていますが、その人物像は謎に包まれています。

自身が神奈川の出身で、自身が住んでいる場所を舞台に作品を描く傾向があること、その作風から、また、実在の暴走族(NIHTS。俳優の宇梶剛士氏が総頭であったことは有名)をモデルにしていることからおそらく彼女自身、和希のような少女時代があったのではないかということはよく言われていました。

しかしそれ以外はほとんど情報がありません。活躍されていた時代がネットのない時代であったこと、本人が元から表に出られなかったことで、現在にいたるまでその本人像はほとんど知られていません。

当時からのファンにとっては、作品の中に時折メッセージが書かれていることがあり、それを探すのが楽しみの一つでした。


(出典元:集英社©紡木たく)

たとえば、部屋の風景の中のポスターにローマ字で書かれていたり、背景そのものにかかれていたりと、出現場所は様々でしたが、いずれもローマ字で書かれていました。

受験生がんばれ、というメッセージなどもあり、喜んだものです。

また、紡木たく先生の作品には多くのアーティストも影響を受けたとされ、尾崎豊、チェッカーズなどはよく知られています。

現在は2007年を最後に新作の発表はありませんが、ファンとしてはまだまだ期待しています。

幻の映画化騒動と盗作問題


(出典元:集英社©紡木たく)

2014年に能年玲奈、三代目J Soul Brothersの登坂広臣主演で映画化されましたが、この映画化には正直驚いたファンは多かったのではないでしょうか。

というのも、ホットロードの連載が終わった頃、ポップティーンという雑誌で「ホットロード映画化?!」という話題が持ち上がりました。

根拠などなかったのですが、当時のポップティーンはヤンキー全盛でしたので、この話題は特集が組まれるほどの盛り上がりを見せ、勝手に和希と春山の役を、当時人気だった立花理佐、男闘呼組の成田昭次がやるといった話まで出ていました。

それに決着をつけたのが、先ほどの紡木たく先生からのメッセージでした。その当時連載中だった漫画の中で、「(H)wa eiganiha Sinai(Hは映画にはしない)」というメッセージが見つかったのです。

紡木たく先生自身、和希と春山のイメージは読者の中にあるとわかっていて、それを大切にされていたので実写化は永遠にないとみんな思っていたので、30年を経たとはいえ、実写化は驚きでした…

また、1994年に日本テレビで制作・放送された「終らない夏」というドラマにおいて、設定やセリフなどにホットロードからの盗作があると騒ぎになったこともありました。内容としては、主人公が母親と二人暮らし、母親の恋人の名前が同じ「鈴木」で、眼鏡をかけていて、その鈴木のセリフが酷似していたというもの。

脚本家も制作側もそれを認め、集英社に謝罪するという顛末になり、以降再放送やソフト化は行われていません。

ホットロードまとめ


(出典元:集英社©紡木たく)

「もう一度 あの頃の あの子たちに 逢いたい」

誰にでもあった10代という輝かしい時代。けれど中には、生き急いだり、道を外してしまう少年少女もいます。

ホットロードは、そういった少年少女より、むしろ「そうならなかった」人たちに人気だったといわれています。私の周りでも、そうだったように思います。

自分が歩まなかった、でも歩んでみたい気持ちもあったその道を、和希を通して、春山を通して疑似体験できたのがこの作品でした。

夜の街、テールランプ、排気ガスのにおい、学校以外の友達…

ちょっと怖いけど、でもその時にしか経験できないたくさんのことを、やってみたかったな、と思う人は少なくないでしょう。

大人になった今、何度読み返しても、同じ経験を持つ人にはすっぱくて切ない記憶として、経験のない人には憧憬として、何度でも心によみがえるのではないでしょうか。

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