【あらすじ・ネタバレ】砂の塔~知り過ぎた隣人~ママたちの閣社会
(出典元:TBSオンデマンド)
2016年秋にTBSで放送された「砂の塔~知り過ぎた隣人~」。
菅野美穂、松嶋菜々子という2大女優の共演と、岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)の出演などで話題となりました。
タワーマンションを舞台に、母親と子供たちを取り巻く日常の問題と、未解決の失踪事件が絡み合いながら展開いくストーリーで、最終回は高視聴率となりました。
ここ最近、テーマとしてはよく取り上げられる「ママカースト」や「セレブ主婦」といったキーワードがこれでもかとちりばめられたこのドラマ、ネタバレありでまとめました!
砂の塔のあらすじと登場人物(キャスト)
(出典元:ザ・テレビジョン)
憧れのタワーマンションを購入した高野亜紀(菅野美穂)は、夫の健一(ココリコ田中)と高校生の息子・和樹、幼稚園に通うそらと仲良く暮らしています。
引っ越し早々、マンション内での「掟」が存在することを知り、さらには母親の交友関係がそのまま子どもたちにも影響するのだとわかって先行き不安に感じます。
マンション内では住んでいる階が上層階であればあるほどカースト上位であるとされ、最上階の50階に暮らす阿相夫妻(津田寛治・横山めぐみ)がボス的存在で、次いで45階の橋口夫妻らがおり、2階に暮らす尾野綾香(ホラン千秋)はそのことに大きなコンプレックスを抱いています。
世間では幼い子供たちが失踪する事件が相次いでおり、マンションでも話題に上りますが、一向に解決する気配を見せません。
(出典元:TBSテレビ)
一方、マンション内の人間関係に戸惑う亜紀は、真上の階に住む佐々木弓子(松嶋菜々子)と知り合います。
何度かママ友たちの嫌がらせから救ってくれた弓子を、亜紀は次第に尊敬するようになり、弓子もまた亜紀と子供たちによくしてくれました。
しかし、友達だと思っていた弓子には別の顔があり、彼女の部屋には全世帯を監視するモニター、そして亜紀に対する嫌がらせのきっかけは、実は弓子が策略したものでした。
弓子の真の目的は何なのか、そして世間を騒がせる幼児失踪事件の犯人は?些細なウソが人の心まで狂わせる、「砂の塔」に暮らす女たちの思惑は?
砂の塔の見どころ
では、ドラマ「砂の塔」の見どころをいくつかご紹介します。
敵か味方か、弓子の真意はどこに?
(出典元:TBSテレビ)
広めの部屋に1人で暮らす弓子はとにかく謎です。
自宅でフラワーアレンジメントの教室を催していますが、夫は海外出張中だとか。子供はいないようです。
いつも冷静で、きちんとしている印象ですが、彼女の部屋にママ友たちの部屋を監視するモニターがあることが明かされます。
彼女が「お近づきのしるしに」と贈ったプリザーブドフラワーには、隠しカメラがセットされていたのです。
亜紀が見舞われるトラブルにも、弓子は絶妙のタイミングであらわれ、ピンチを救います。しかし、回が進むにつれ、そのトラブルは弓子が仕掛けたものであることがわかってきます。
敵意をあらわにする最上階に暮らす阿相寛子(横山めぐみ)に告げ口していたのも、弓子でした。
この弓子、実は亜紀の家族に深く深く関係していたことが後半明らかになります。そしてその衝撃の真実とは…?
不器用すぎるイケメン体操のお兄さんの正体
(出典元:TBSテレビ)
EXILE/三代目 J Soul Brothersの岩田剛典扮する生方は、マンションの子どもたちが通う体操教室のインストラクターです。
イケメンであることと、人当たりが良いことで母親たちにも非常に人気で、中には不倫願望をあけすけに表現する母親もいるほど。
実は彼は、亜紀が幼いころ住んでいた家の隣に住んでいたのです。再開を素直に喜ぶ亜紀と生方ですが、生方には亜紀に対して特別な感情を持っていました。
この生方先生、どうにも亜紀の立場を悪くするようなタイミングで微妙なことを言ってしまうヤキモキする役どころです。
男前でなかったら非難ごうごうです。
当初は亜紀の味方的な位置づけですが、そのうち弓子の不審な言動に疑問を抱き、弓子の過去を暴こうとし始めます。
実はこの生方にも、別の一面があるのでした。
ココリコ田中の名演技、夫の隠された過去
(出典元:TBSテレビ)
亜紀の夫・健一には、ココリコの田中直樹が扮しています。
決して優秀な営業マンというわけでもなく、高給取りとも言えない彼がタワーマンションの一室を購入できたには、実は理由がありました。
お察しの通り、その部屋は「事故物件」だったのでした。
人一倍家族を思いやる善き父親、善き夫ですが、それが力み過ぎてしまうことがとんでもないトラブルを引き起こしてしまうのですが、その転がり落ちる過程がかなり真に迫っていて見ごたえあります!
そして、この夫・健一こそが、弓子の過去を全て知る人物だったのです!
ハーメルン事件の犯人は!?
(出典元:TBSテレビ)
ストーリーの背後にずっと存在し続ける幼児連続失踪事件。
子どもは無理矢理連れ去られたわけではなく、自らついていった形跡があることから、ハーメルンの笛吹きになぞらえてハーメルン事件と呼ばれます。
また、失踪した子どもたちに共通していたのが、親からの虐待やネグレクトを受けていたというものでした。
模倣犯らによる事件がいくつか起こる中、本当の犯人が特徴のある「口笛」を吹いていたことがわかります。
亜紀の息子・和樹は、マンション内でその口笛を耳にし姿を追いますが、彼にも魔の手が迫り…
(出典元:TBSテレビ)
単純なママ友ワールドというだけではなく、未解決の事件の犯人は誰か、動機は?という謎解きがずっとあることと、さらに毎回犯人らしき人間が次々と現れるのでサスペンスものとしても楽しめます。
ちょこちょこ挟まれるママ友あるある、マンションあるあるも当然、見どころです!
本当にあるの?ママカーストとタワマンの掟
(出典元:TBSテレビ)
このドラマに限らず、たとえばフジテレビで2011年に放送された「名前をなくした女神」、日本テレビで2008年に放送された「斉藤さん」など、ママ友やその人間関係を題材にしたドラマは大変人気です。
書籍でも、「森に眠る魚/角田光代」や、「ハピネス/桐野夏生」など、タワーマンションを舞台に繰り広げられる母親たちの心の機微を描いた作品はとにかく人気です。
でも、実際にタワーマンションに暮らしていなければわからないことですが、本当にあの「掟」なるものは存在するのでしょうか?
(出典元:TBSテレビ)
たとえば、ドラマの中で2基のエレベーターの存在があります。片方は25階から上の階専用で、25階まではノンストップです。
もう片方は、いわゆる低層階専用。このように分けることで、上層階の人もストレスなくエレベーターの利用が出来るということらしいです。
そんなこと、と思うかもしれませんが、多くの場合、高層階になればなるほど、部屋の価格は高くなりますよね。
階が1階上がるにつれ、数十万~数百万の価格差があると言われています。
間取りも、低層階がワンルームタイプやせいぜい2LDK程度であるのに対し、高層階は専有面積も広く、それだけで世帯の経済状況がわかってしまうわけですね。
(出典元:TBSオンデマンド)
年代が違えばいざ知らず、同年代で子どもも同じ世代となれば、心穏やかでいられない人が出てくるのもわかります。
特に、専業主婦である場合は夫の名刺ジャンケンが唯一のよりどころであることも多く、このドラマでもよく目にします。
また、上層階の人が、低層階の人のことを何気なく「下の人」と呼ぶことでカチンとくる、なんていう話もあるようです。
それ以外にも、基本的に美観を損ねる(ベランダに洗濯物を干すなど)行為の禁止や、共用スペースの利用の仕方などのほか、いわゆる「暗黙のルール」も存在しているのは事実のようで、とある高級マンションの公式サイトには「暗黙のマナーを早めに把握しましょう」などという恐ろしいアドバイスが書かれています(笑)。
暗黙ってなんでしょうか……。
砂の塔、ラストに見る本当の怖さ
(出典元:TBSテレビ)
毎回、怒涛の展開で観る者を飽きさせないこのドラマですが、私は真骨頂はラストにあったと思います。
連続失踪事件の犯人についてはここでは伏せますが、営利目的や小児性愛といった残酷な動機ではなく、犯人なりの悲しい理由があったことがわかります。
「逃げたいのに逃げ出せない子どもの存在」。
これは非常に重要なことで、そのせいで悲しい結末を迎える子供たちが後を絶ちません。
(出典元:TBSテレビ)
そして、「矛盾していても、間違っていても、親の愛」という考えが強すぎるがために、子ども自身も親を拒絶しきれない、私はそれを「愛という名の呪い」と思っていますが、昨今の子供が犠牲になる事件の要因だとも思っています。
私自身も母親ですが、「正しい母親」とはなんだろう、そう考えることがあります。このドラマでは、それは「逃げない母親」が正しい母親であるとされていますが、そこは人それぞれ、自分と子供にとっての「正しい姿」を見つけることも大切だと感じます。
砂の塔を視聴できる動画配信サービス
(出典元:TBSテレビ)
事件よりもママ友の人間模様が怖すぎると話題になった「砂の塔~知り過ぎた隣人~」ですが、見逃した方はHulu、dTVで全話配信中です!
出演者も実力派がそろっていますし、テーマも深く見ごたえのあるドラマでした。
脚本がオリジナルだったのも評価が高い点といえます。
人間関係のドロドロがお好きな方、謎解きサスペンスが好きな方、おすすめです!